【資料】山形県におけるサケ回帰尾数、稚魚放流数、回帰率の推移の解説

第一回で話題に上がった「山形県におけるサケ回帰尾数、稚魚放流数、回帰率の推移」について、コーディネーター・桂氏(山形県鮭人工孵化事業連合会・参事)が、最新情報を追加した補足資料をまとめてくださいました!

1.放流尾数について

・昭和40年代後半から平成の初めぐらいまでは、6,000万尾を超える稚魚放流を行ってきましたが(昭和50年代には1億尾を超えることもあった)、各ふ化場の水量、飼育池の規模、ふ化飼育従事者の技術力を考慮して適正飼育尾数を算出した結果、最近では約3,000万尾放流で推移しています。
・適正な飼育数量と飼育技術の向上により健康な稚魚を放流しているため、放流尾数が多い頃よりも多くのサケ親魚が回帰するようになりました。

※1 稚魚を多く放流していた頃は、河川に回帰した親魚すべてから採卵を行い、稚魚を生産して放流することになっていました。また、その頃は国と県が1/2づつ負担し、予算の範囲内で稚魚を買上げる制度となっていて、予算も十分に確保されていました。
※2 その後、稚魚の買い上げは国から税源移譲を受けた県が行うことになりましたが、十分な予算が確保できず稚魚の買上げ数が減ってしまい、ふ化場の運営が厳しくなりました。そこで、県はふ化放流事業に充当することを条件に、余剰卵(イクラ)の販売を認めたことに加え、採卵後の親魚の加工販売、サケ調査釣りなどを実施することで、ふ化場運営の立て直しと適正飼育尾数の見直しを行いました。

2.回帰尾数について

・沿岸漁獲数:定置網漁業者などの海面漁業者が山形県漁協に水揚げした総数
・河川採捕数:山形県の15のサケ組合がふ化放流事業のために採捕した親魚の総数

※1 沿岸漁獲数と河川採捕数を併せた数が、山形県全体の総回帰尾数となります。また、沿岸来遊数という言葉で表現することもあります。
※2 海面漁業では、さけ漁、漁獲、水揚げという言葉を使いますが、サケふ化放流事業では、知事が特別に採捕を許可した者だけがサケの採捕(捕獲)を行うことができます。そのため、海面漁業とは異なり漁獲や水揚げという言葉は使えません。また、許可を受けていない者が河川内でサケを採捕した場合には、水産資源保護法や山形県内水面漁業調整規則違反となり、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられます。

3.回帰率について

回帰率:ある年の総回帰尾数(沿岸漁獲数+河川採捕数)を4年前の稚魚の総放流数で除したもの。4年前の総放流数を使う理由は、サケは放流してから3~5年で回帰しますが、資源の多くは4年魚で構成されているからです。山形県では1%の回帰率を目標としています。

※1 回帰率に年変動はありますが、近年は上昇傾向にあります。


多くのサケ稚魚を放流すれば良いというものではなく、各ふ化場の運営状況などを鑑みながら、適正な飼育数量で生産された健康な稚魚を放流することが、回帰尾数、回帰率の向上に繋がると考えています。

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